アルザス記2

朝目覚めたら10:00を廻っている。
勿論、社長様は既にご出勤だ。
奔放にして繊細の社長らしく、
机の上にメモ、小銭、テレホンカード、ご飯も炊けている、味噌汁も。
納豆ふりかけと梅干しで朝食を摂り、おむすびを二つ、仲々美味しいご飯だ。
この納豆ふりかけは、
私が以前に大磯で見つけたものだが仲々単身赴任者連中に好評だった。
Nさん、こちらに単身赴任して、もう、3年近くなる。
台所、冷蔵庫の中も、如何にも日本食が詰まり切っている。

コルマールの中心まで歩いて10分と聞いていたのでフラッと出かける。
迂闊なことに住所を聞いてなかったので、
歩き出したものの今何処に居るかがサッパリ判らない。
半信半疑でしばらく行くと大きな地図があり、
現在所も印してある。
その先、要所要所にこの地図の看板が立っていてとても助かった。

ともかく、ウンターリンデン美術館に直行する。









観た人は「金縛りにあう」と言われるグリューネヴァルトの「イーゼンハイムの祭壇画」







 

 

たっぷり時間を掛ける。
十字架のキリストを中心にマリア、ヨハネと仔羊、
マグダラのマリア等が円形に囲む構図、
一人一人の描写、
特に苦悩でうなだれ歪むキリストはそれまでの「超越的」な面影はなく、
より「写実的」で「人間的」なのだそうだ。
聖書、宗教、西洋史に縁の無い私には、さしずめ、猫に小判か。
それでも、何故なんだろう、
マグダラのマリアに魅入られ時,
j時間の経過を忘れてしまっていたのだ。







 







美術館を出て、広場の屋外レストランに腰を据える。