メルヘン街道(1986年)。


グリム兄弟のグリム童話で名高いメルヘン街道の北端、
「ハーメルンの笛吹き男」ので有名な町ハーメルン、
老いて役立たずになったロバ、犬、猫、雄鶏の三匹と一羽が
「ブレーメンの音楽隊」になろうと目指すブレーメン、
二つの街を訪れた。



拠点はハノーバー。
飛行機から降り立つと北ドイツ特有の靄が立ち込めている。

ハノーバーで生まれて初めての経験をした。
ルーレットだ。
これ以後、ヨーロッパやアメリカに行く度の必ず覗いたが勝ったのはこの時だけ、
時間が無く途中で切り上げたのが良かった。
その時の稼ぎで買ったポルシェのサングラスは今でも大事にしている。



ハノーバーから列車に乗る。
車窓から見るドイツの民家にドイツ人の生活を想像する。
どの家も小奇麗で個性ある造りだ。

 


まず、ブレーメン。



霧雨の中、ブレーメンの街を彷徨う。



街の至る所にいろいろな彫刻が置かれており、
市民や旅行者を和ませる。
皆、グリム童話に由来する。



何と言っても人気の中心は「ブレーメンの音楽隊」だ。







下の右の写真の上の方に有るのは仕掛け時計。
定刻になると扉が開き劇もどきのショウが始まる。



裏通りにも中世の臭いが立ち込めている。
情緒がある。



洒落た店が立ち並ぶ。
どれも時代を感じさせる重厚な造りの店だ。
こんなところのウインドウショッピングは時間を忘れる。
品物よりも店そのものが魅力的なのだ。
眺めているだけで旅情がつのる。






一旦、ハノーバーに戻って翌日はブレーメン。



中世の街並みが目を奪う。
壁に建てられた時期が刻まれている。







1284年、突然、この町から130人余りの子ども達が居なくなった。
当時、ハーメルンの街は鼠の被害の往生していた。
そして、鼠捕りの名人を雇った。
彼は立派に鼠を退治した。
しかし、約束の報酬が支払われなかった。
怒った彼は、
不思議な笛の音に魅せられた子ども達を連れ去った、そうだ。



その鼠捕りの家がカフェになっている。
中を覗いたが、いささか、気色悪い。




束の間、イギリスに立ち寄る。
テルフォードという街だ。



世界最初の鉄の橋だそうだ。




パリに飛ぶ。

凱旋門の強大さに立ち竦む。
1806年、ナポレオンの鶴の一声で建造が始まり1836年に完成。
その4年後、ナポレオンは遺骸となって凱旋した。




ノートルダム寺院。

初期ゴシックの最高傑作だ。
1163年に礎石が置かれ約200年後に完成。
フランス大革命後荒廃の憂き目を見たがナポレオンによって再興、
1803年ナポレオンの戴冠式が豪華に執り行われた。



 

せむし男はあの辺りから顔を覗かせたのだろうか。


ルーブル。
駆け足でルーブルを観る。



兎も角、モナリザの前に立つ。
10何年振りのお対面だ。
このときの感激は言葉にならない。
当時でも人だかりも少なく、
まだ、ガラスの枠も無かったような。



そして、「落穂拾い」と「泉?」。



「晩鐘」



「ミロのヴィーナス」





二度目のルーブル、
かねてからの念願、
「モナリザ」「落穂拾い」「ミロのヴィーナス」
この三つを再度見る、が叶った。



セーヌ。



モンマルトルの丘に登る。
ユトリロ、ピカソ、マチス達の通った酒場、
「はね兎」は思ったよりも小振りの建物だ。
近くにはユトリロが眠っている。





パリの道は迷い易い。
仲間から外れて単独行動を楽しんだのはいいが、
うろ覚えのホテルの名前、
散々探し当てたのは深夜に近かった。
これ以後、行き先でホテルの名前だけはしっかり覚えるように努力している。
が。


マッキンレー。
昔からその名を親しんでいる名山だ。
アラスカ経由航路に乗るのは夢物語になった現在、
再びマッキンレーの姿を見ることは無いだろう。



ヨーロッパ二回目の旅は仕事がらみ、
何時かじっくりと一人旅を決め込もうと心に誓う。





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