ウイーンから航路でスイスに入る。
ゆっくりと汽車でツェルマットへ向かう。
車中からのアイガーは霞んでいて良く見えない。
乗り換えて、いよいよツェルマットへ、
新聞で見たが、崖崩れの規模は想像以上に大きい。
何よりもまずマッターホルンを眺める。
予約していた宿は駅から近い、山小屋風だ。
直ぐ、散歩に出る。
翌朝、早朝からマッターホルン、マッターホルンだ。
穴倉のような階段を登って登山電車、
マッターホルンがだんだん大きくなる。
雪山が連なる、モンテローザと聞いた頂上はどの辺りだろうか。
登山電車の終点で兎も角乾杯だ。
ロープウエイで前に座った小母さんに出会う、
「あそこへ行ってみなさい、池にマッターホルンが写って最高よ」
と教えてくれた。
言うことなしだ。
ツェルマット村まで歩くことにした。
いろんな前景からマッターホルンを眺めながら山を下る。
眼下に登山電車を見た時、思わずため息が出る。
「まだあんな所まで!」
夕方、広場での演奏会に聞き入る。
土地の愛好者達の演奏らしく、素朴だ。
翌日、電車、ロープウエイを乗り継いで、
マッターホルンの肩のあたりまで登る。
物凄い寒さに一分として立っていられない。
そんな中でスキーをやってる連中もいるのだから驚かされる。
夜、レストランバーを覗いてみる。
まあ、おじさんおばさん達の元気なこと、
唄って踊って、残された春を謳歌している。
完
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