メコンに沿って(3)


メコンに沿って 3
メコンに感激

バスで1時間30分程でチェンセン、
メイン通りの一角がバスの終点、メイン通りと言っても、
西部劇に出て来るような広い通りが東西に延び、道の両側は緑の方が多い。



申し訳程度の家並が飛び飛びだ。
傍の小間物屋の親父は椅子一杯に体を広げて居眠りの最中、
誰が来ても関係無いと言う有様だ、



或いは、いち早く、我々の風体を見て取っての仕種かも判らない、
薄目は開いてるようでも有る。
ガイドブックをつくづく眺めると、3軒だけ宿の表示がある。
その一つを目当てに歩き出した。
地図で見ると、西端に有る600年余り以前に栄えたチェンセン王国の遺跡公園から、
真っ直ぐ東に行くとメコン河に直角にぶつかる筈、そのメコンの川岸に出た。





「おー、メコン! メコン!」
凄まじい日差しとアルコールの切れた体も忘れて、暫し、感激に浸る。
思ったより急流だ、1キロもある川幅一杯に如何にも神の恵みの如くトクトクと流れるメコン
向こう岸はラオスだ。
川沿いに歩いて、ものの何分かで辿り着いたのは、
ホテル? 宿屋? 民宿?
我々の宿は下の写真の左側、こんもりとした樹木の中だ。



目前をメコンが流れ、環境としては悪くない。
無愛想なオカミさんが、部屋を案内、二人連れの白人娘と行き交う。
二人が隣り合ったシングルルームに別れる。
スイッチを入れると天井の巨大な扇風機が少しかしみながら廻り出す。
水道を捻ると元に戻らない。
それでも、修理屋がバイクで乗り付け、30分程で修理完了。

一休みして、近くの食堂で食べたのが魚料理、プラブックと呼ばれる巨大鯰だそうだ。
鍋の中央に大きな煙突のような中空があり、



その周囲にプラブックのぶつ切りと色々な野菜、
香料がぶち込まれブツブツと煮上がっている。 
相棒は、「これが食いたかった!」とご満悦だ、確かに美味しい、珍味だ。
ゲテモノ好みの相棒がどうしても、食べたいのが、猿の脳味噌とアルマジェロ、
街中、と言っても何軒も無い食堂を捜し歩いたが見つける事が出来なかった。 
よく聞いてみると、両方とも、タイでは食料として発売禁止になっているとの事だ。 
ヨチヨチ歩きの少女が近づいてきて、両手を拝む様に合わせて、お辞儀をする。 
タイ流の挨拶だ。 



挨拶が終わると、ヨチヨチと母親のほうに戻る。 
暫くすると、またやって来て、同じ事を繰り返す。 
口も聞けない幼児に礼儀作法を教えているようだ。、
タイ人の礼儀正しさはこんな事に由来してるのだろう。

つづく