メコンに沿って(4)


メコンに沿って 4
チェンセーン メコン河畔に並ぶカンテラの灯る屋台

昼寝して目覚めると夕闇が迫っている。
表に出ると、何時の間にか、メコンの川岸に沿って屋台が並んでいる。



歩道に茣蓙が敷かれ、それぞれにちゃぶ台、その上にカンテラ、ローソクが灯される。
これが綿々と連なる川辺は仲々の風情だ。



その内側にズラリと並んだ屋台では思い思いに芳しい匂いを出している。
その内の一つに腰を下ろす、
屋台では青年をやや過ぎた感じの夫婦が魚、鳥などの焼物で忙しい、
客の相手をしているのはその娘さんらしい、未だ14、5歳か。
ビールを飲んで焼魚を突っつき、メコンの川風を浴びる。
こんな時が旅の醍醐味だ。
娘さんの友達がやってきて仲間に加わる、ワーワーキャーキャー賑やかだ。



底抜けに明るいタイの娘達だ。
一緒に写真を撮る。
「写真を送って上げるよ、住所は?」
「住所?」
一瞬たじろいだ娘さんは屋台の方を向く、
屋台の父母は黙って魚を焼いてるまんまだ。
場を察した、友達の一人が住所を書いて呉れた。
あちこちと屋台と一緒に渡り歩いているのだろう

つづく