メコンに沿って(8)

白人だらけのチェンコーン

タイからラオスへメコンを渡るチェンコーンへ移動。
チェンセーンからチェンコーンへのバスは昨日と同じ凄いバスのようだ。
尻込みしている私をいち早く悟ったらしい相棒は、
「こんな所にAC付きの車なんて有るもんか」
と言いながらも、AC付きの乗用車を調達して来た、 三菱ギャラン? 500バーツ。 
メコンを三角形の2辺にした底辺を西から東へ峠を一つ越える。 
快適な車は、いかにもタイの田舎の感じの村落を幾つも通り過ぎる。
対向車も数少ない、 この辺ならレンタカーで走れそうだ。

1時間半も走るとチェンコーン、小さな街だ。
運転してきたおばちゃんの知り合いらしい宿に横付けされた。
部屋は悪くない、AC、トイレ、温水シャワー付き、質素だが清潔、300バーツ。

大きなバッグを背負った白人達、
面白いのはアベックのバッカーのどれもが男と女で背負ってる荷物の大きさは変わらない。
それにしても白人が多い。

明日渡る予定のラオスへのビザ取得手数料、15日有効で$44、
「うちの手数料は何処よりも安いよ」
と、カウンターの奥さんが胸を張る。
確かに、ガイドブックに記載されているよりも安い。
書類に書き込んでパスポートを渡す、写真は不要のようだ。

すぐさま生ビール、
1リットルを二本飲んだら相棒はひっくり返った。
表に出て捕まえたトゥクトゥクに、
「街を一回りしてくれ」
と20バーツ払う、メコンに沿った一本の通りを行って帰って終わりだ。
横文字の看板が多い。 





道に平行してメコンが流れる





その一本の通りに面白そうな店を幾つか見付けた、その一軒に入る。 
 話し込んだ40歳くらいの親父はイタリヤ人、もう20年、ここに住んでいるとのことだ。

 

ビールを運んできた奥さんは、お世辞にも美人とは言い難い。 
若気の至りだったのだろう、
それにしても、親父の顔には幸せと言う字が書いてある。

 ワットプラケオと言う名の寺院を覗く。



 静かな佇まいの中に、仏塔と鐘楼が聳える。
 鐘楼の3階まで上ると、四方の景色が一面に開ける。 
一本の道筋の両側に家並みがあり、北側の屋並の後ろはメコンが音も無く流れ、
南側は家並みに続いて直ぐ田園が山裾まで開けている。 



三つ有るそれほど大きくない鐘、指で叩くと、幽かに心地よい音色で響き渡る。 


川魚とビール

起き出した相棒と、ラオスへ渡る船着場を下検分、
近くのメコンにせり出した展望台、此処にも茣蓙敷きの屋台が並ぶ。
日が沈みかけると、若者や家族連れがオートバイや車でやって来て、
10席ほどの茣蓙席が満員になる。





所謂、夕涼みなのだろう。 
焼魚とビールがやたら美味しい。
川魚にしては骨が無いし、味は鯛もどきだ。


JAZが流れるパブ

10時、相棒は既に高鼾だ、夜の街にさ迷い出す。
飛び飛びに有る店々には、半分裸の白人の若者達が屯している。
昼間行ったイタリア人の店に入るとJAZが流れている、
ここも白人だらけ、日本人の姿は見当たらない。
いろんな白人が出入りする。 
ロングステイと思われる中年が独りジョッキを傾けている。
四、五人の高校生位の男女連れが、一軒一軒店を物色して、前の店に消えて行く。
二の足を剥き出し自転車で立ち寄った金髪娘が、また、自転車で戻って行った。
ローマでのBinを想い出す、このところ音信が途絶えたが、どうしているだろうか?

 犬が多い、どれが飼犬か野良犬か区別がつかない、みな温順そうだ。  
 星が奇麗だ。

つづく