カオサン記1
カオサンは人種の堝
トクトクを下りると異様な雰囲気に圧倒される。
目の前のレストランに腰を下ろす、 宿が決まってないと落着かない。
ボーイにに荷物のキープを頼み宿探しに出掛ける。
意外に満員だったり、高すぎたり、安すぎたり、4軒程見て廻る。
最後は、やはり、人、ママの笑顔が気に入った、カオサンの真っ只中。
部屋に入ると、看板通りACだけは有るがあとは何にも無い。
入口に並んでいる旅行社の出先?で、
バンコクー昆明ーチェンマイーバンコクのフリーが取れた。
8250b、一寸早まったかも判らない。
フラリと表に出る、人種のるつぼだ。
腰を下ろした店の隣の席は日本の青年、
卒業して就職も決まり、パックツアーで来ているとか、
一寸、抜け出してカオサン見物だそうだ。
酒を飲まない青年は、暫く、キョロキョロして帰って行った。
白人のパックパッカー達が右往左往する。
大きなバッグを背中に背負い、首からももう一つバッグをぶら提げ、
更に両手にも荷物を抱えている。
凄いエネルギーだ。
ホテルに戻ってウトウトしていたが、何としても煩い。
カオサンの喧騒が直に伝わって来る。
夜中の1時に起きだして通りに出る。 通りは人で埋まっている。
露天も道に張り出し、屋台の焼鳥がプンプン匂う。
日本人も多い、日本人は歩き方の腰つきに特徴がある。
同じ顔が行ったり来たりしている。
一寸歩くと、物乞い、刺青、揉め事にぶち当たる。
世界中の人種が集まっているのではないだろうか、圧倒的に白人が多いが、
アラブ系、アフリカ系、印度系、東洋人も混じる。
道端で座り込んで輪になっているグループ、
屋台から持ち込んだ焼鳥を咥え、喇叭飲みだ。
しかめっ面の日本青年もウロウロしている。
若者が95%、ネクタイ姿は全く無い。
皆、自由と平和を謳歌している。
清掃車が動き出した。
2時を過ぎると、通りにはみ出したテーブルや椅子を片づけ始める。
部屋で気が付くと3時、
「俺もやるもんだ」
と独り言。 やっと静寂が訪れた。
家に電話、ラオスで喧嘩別れした相棒から電話が有ったそうだ。
「あんな我侭な奴...」
とか告口をしたらしい、カミさんが電話の向こうで怒ってる。
でも、無事に帰国はしたようで良かった。
カオサンは朝から動き出す。
人群れの中を散歩、男か女か区別が付かない人間、お臍丸出しの女、
95%が若者、中年が5%、よたよたしている老年は1%に満たない。
こんな雰囲気にいるとムズムズと若返る。
シアームセンターは若者で一杯
シァームセンターに出掛ける。 人と店が蠢き合っている。
バミーを食べたくなって探すが判らない、丁度、インフォーメーションにぶち当たる。
「その向こうに日本食堂が有るわよ」
目玉が飛び出るような美人がにこやかに教えてくれた。
鮪の握り60B、日本酒熱燗220B、二本飲んでご機嫌だ。
がらんとした店に客は私ともう一組、女の子達は手持ち無沙汰そうだ。
「煙草が欲しい」
と言うと、店には置いてないらしい。
「私が買って来て上げる」
と一人の女の子が駆け出して行った。 仲々戻らない、暫くして戻った女の子、
「もう、お店が閉まってます、私のを上げます」
とPALL MELLを差し出した。 口が開いているがまだ大分入っている。
貰うのは悪いので50B上げると恐縮している。
デジカメで写真を撮ると、みんな、集まって来た。
タイでも、デジカメはまだ珍しいらしい、まあ、時間の問題だ。
トクトクでカオサンへ戻る、40B、行きはタクシー、77B。
朝8時、バッグパッカーですし詰のオンボロバスで、
飛ばし飛ばして飛行場へ、
暫く、タイともお別れだ。
カオサン記1(完)