タイ・イサーン記2
カオブラヴィハーン遺跡

10時、ロビーに行くと、もう、SUTUS君が待っている。
カオプラヴィハーンまで快適に飛ばす。
広い平原が何時の間にか山間に入ると検問所。

暫くして広い駐車場、茶店やお土産屋も閑散としている。
トロッコのように繋がったミニカーで500m程、
こんもりした茂みの中にまた何軒かの茶店とお土産店、
其処に番人が居て、タイからカンボジャへ出国。
カオプラヴィハーン遺跡はカンボジャ側に有って、カンボジャ側からは入れない。
3、40分も長い石段を登る。 暑い暑い。





当時は荘厳な神殿で有ったのだろうが、崩壊の仕方もただ事ではない。



 

1300年もの間、風雨に曝され、その後の戦禍を経て、
流石の石の宮殿も破壊尽くされている。
無造作に転がる見事な彫刻、栄華が偲ばれる。





ラオスのワットプーもそうだったが、
自然のままに野放れた姿に、
いも言われぬ趣を感じるのは私ばかりでは無いようだ。
相棒がよく言っていた、
「タイの遺跡は不自然に修復されていて魅力が無い」
が思い起こされる。

 

 

 

 

 




登り切って神殿の裏側に出ると、絶壁、これが数百mはあるだらうか、
快晴の今日は、絶壁の向こうにカンボジャの平原が30kmも見渡せる。



その向こうがプノンペンなのだろう。
振り返るとタイの平原、昨日はウボンから北へ100km、今日はウボンから南へ100km、
タイの東の果てに広い平原がうねっている。
タイ平原とカンボジャ平原を仕切る高地、
ここに立ってみて、ここが長い間、
両国間の国境紛争の地で有った事が、まざまざと窺える。

僧侶の一行が声高に話す、いかにも生臭坊主の一行だ。
SUTUS君が、
「彼等はマレーシアの坊さん」
と教えてくれた。
戻りの石段で、
「ヨイショ、ヨイショ」
の掛け声、日本人の中老年の一行、
「コリャー、金毘羅さんよりしんどいわ」
関西弁のおばさんが、肩で息を吸っている。
麓まで戻ると、日本でも最新鋭に類する観光バス、
日本ツアーがこの辺りまで押し寄せてきている。

茶店でのビールのせいか、ウトウトしたかと思ったらウボンだ。
口数は少ないが、始終気を使ってくれたSUTUS君に、
奥さんと子供さんにと100Bずつチップを奮発。


ウボンのバスは5B
宿の戻ってホテルのカウンターに尋ねる。
「明日は、スリンに行きたい、汽車の時間教えて下さい」
「ワカリマセン、ワカリマセン」
汽車の時間が判らないのではなく、私の流暢な英語が解せないのだ、「エッヘッヘ」
時間も有るし、一寸、動きたくなった。
外に出て、トゥクゥク、
「駅まで、幾ら?」
「50」
「20」
「40」
案内書に有る、トゥクトゥクで
「40と言ったら高いと思え」
を実行している。 傍らの2台とも「20」で首を横に振る。
別に急ぐ旅ではない、丁度、傍にバスが停まった、、高校生らしき男の子に尋ねると、
「駅へ行きます」
日本語が話せる。 バスに乗り込むと、支払いの方法が判らない。
さっきの高校生が、
「5B」
と、5B硬貨をかざして教えてくれた。
バスが動き出すと、駅まで結構な距離だ。


ムーンリバー
駅の窓口で、申し込む。
「明日のスリン、ファーストクラス、AC付き」
「明日来い」
と言ってるようだ。
構内をブラつくと、BOOKING SERVICEの看板が目に入った。
明日の予約を申し入れると、コンピューターを弄っている男性、
「明日のスリン行き、AC付きは、午後4時しかない」
4時だとスリン着きは午後6時半、明るい内に着くの鉄則には一寸遅い。
あとは、13時25分発のAC無し3等。
タイのAC無しは恐ろしい。
ホームに小奇麗な列車が見える、
「あれが3等か?」
と尋ねる。
「そうだ」
中国の列車を想定していたが、それ程酷くは無いようだ。
意を決して予約を済ませ、トゥクトゥクの溜まり場へ、
地図を示すと7、8人が寄ってきて喧喧諤諤。
「幾ら?」
「50」
「30」
全員が首を横に振る。
「40」
と言うと、リーダーらしきが皆の顔を見渡す。
中の一人が、
「OK、まあ、しょうがねーや」
と言った風に引き受ける。

さっきのバスの距離からしたら余り良い仕事では無いようだ。
大きな橋を渡った所で降ろしてもらう。
隅田川位の川、ムーンリバーと言う名だ。
川辺りの屋台で鶏の羽肉入りラーメンでビール。


ウボン博物館
翌朝、ウボンを離れる前にウボン博物館を覗く。
タイの歴史は全く無知だが、魅力的な仏像、古い織物、魚や動物を捕る道具等が目に付く。
タイアルファベットの石碑も。



 

 


ウボン駅のホーム売店はスーパー兼食堂
チェックアウトしてトクトクを待っていると、ベンベーの小父さんが、
「駅まで送ってやるよ」
とドアーを開ける。
車の中は車の部品、装飾品でいっぱいだ。
タイ中をセールスしてるのだそうだ。
「good business!」
「good trip!」
手を振ってお別れだ。

一時間も早く着いてしまった。
キップを買ってホームの売店でビール、
ここの売店には、日用雑貨、食料、飲物、スーパーの如くだ。
売店の女の子が、
「今、止まってる列車もスリンに行くよ」
と教えてくれた。



続く

 

タイ・イサーン記1 ウボン・パーテムの先史時代の壁画
タイ・イサーン記2 カオプラヴィハーン遺跡
タイ・イサーン記3 スリン・象の街
タイ・イサーン記4 パノンルムン、ムアンタム、バーンプルアン遺跡
タイ・イサーン記5 スリンの夜
タイ・イサーン記6 ピマーイ遺跡
タイ・イサーン記7 コラート・蝋祭り