台湾記3 台北2

朝、一人歩きを試みる。
ともかく忘れっぽいので、ホテルのカードをしっかりとポケットに忍ばせる。
台北は比較的、碁盤の目のように区画されており心配無いだろう。
以前、パリでエライ目に合った事が有る。
放射線で判り易いという先入観で、ブラッと出掛けて、
さてホテルはこの道、と行けども行けども、ホテルは出てこない。
何だかややこしい名前で、ホテルの名前が定かではない。
たまたま、同じグループの人と行き逢い、素知らぬ顔で跡を付けてホテルまで戻ったものだった。

東西南北の幾つかの通りの名前を確認してホテルに戻る。
途中、セブンエレヴンに立ち寄る。日本のセブンエレヴンと全く変わらない。
これで、一人歩きのメドがたった。

バスに乗り込んだ一行、最初が、漢方薬の店、
ショウが面白い。
真っ赤に焼けた鉄の鎖を掌でこすって、直ぐに白い膏薬を塗って舞台を下がる。
幾つかの他のショウが続いた後で、再登場して、膏薬を拭うと、火傷の跡も何にも無い掌だ。
次は鉄の棒を喉に当てて、一方を人間、我々の仲間が出演、が両足を踏ん張って
両手で構える。 エイッとお互いに力を入れると鉄の棒が見事にひん曲がる。
変わって、拳骨で五寸釘を厚い板に打ち込んで貫通させる。
確かに凄いが、こちらはなんの薬と関係あるのだろう。
精力剤とか盛んに売り込まれる。
癌の薬はないかと尋ねると、無い、と簡単に答えられた。

龍山寺、



一心に線香を捧げて祈っている人々、其の中に、さしずめ日本では
六本木とか、原宿あたりに屯しているような、若い娘さんたちが交じっている。
彼女達のお祈りの仕方は、日本のおばあちゃんたちよりも一心不乱だ。



例のガイドさんが教えてくれた。
まず、名前、生年月日、住所、そして祈りごとを言いなさい。
ハッキリ声を出さないと神様に聞こえません。
神様が聞き届けてくれたかどうか確認します。
そこに沢山の棒の入った箱があるでしょう、その棒を一本引いて、
棒の底に書いてある番号を覚えて下さい。
つぎに、そこにある半月版の木片、神片(シンペイ)という、
を二枚取って地面に放り投げて、表裏が一枚ずつ出るまでやって下さい。
表裏が出たら、神様納得、
本殿の側の御神籤箱から、棒にあった番号の御神籤を引きます。
御神籤には、始めにお祈りした願い事への神様の思い召しが記されています。





それにしても、台湾の人々の信仰心の篤さには吃驚させられる。
本堂の両脇にある石の透かし彫りの彫刻、ウッカリすると見逃してしまうが、



これは半端なものではない。
本堂の屋根にふんぞり返っている龍の彫物、これも凄い。



天に爪立てている龍の爪は4本だ。
5本は皇帝、4本神様、3本皇族と決まっているのだそうだ。

孔子廟、中正記念堂をざっと歩く。





中正記念堂の各門のあの大きな額字はみんな、
例のS先生の書いた字だと聞いて、
一同、目付きが変わる。

つづく