アンコールワット記15
シェムリアップ

プノンペンで一泊の予定を変更してシェムリアップで延泊。
カムヒヤ君が熱心に勧めるベンメリア、
未だ手付かずのままの寺院と聞いて食指が動いたが、
クバール・スピアンよりも更に遠方、
バイクで2時間と聞いて諦める。
それならトンレサップ湖で舟遊び、
と執拗に迫るカムヒヤ君。
一日、シェムリアップでのんびりする事にする。

カレーライスが美味しいと言う日本人経営の店でカレーライス。
確かに一味違ったが、後で腹痛で苦しむ。
ガッついて食べたせいかもしれない。



薄暗いオールドマーケット、何でも有る。
流石に魚が新鮮そうだ。
ワンセット2$の箸セットが2セット1$になった。





オールドマーケット前の広場、傍らをシェムリアップ川が流れる。
前の土産店をからかう。





四面仏像、売り子の女に15$を5$値切ると断られる。
店を出ると女が追いかけて来た。



よくよく見るとお粗末な代物だ。


面白いことがあった。
カオサンで買ったグッチ?カルチェ?
が使い物にならないのを思い出して時計屋に入る。
可愛い女の子が応対する。
カンボジャ製の時計を記念に買う。
確か30$を15$で買ったと思う。
その場で時間を合わせてもらうと日付が合わない。
「針が動いているから良いじゃないの」
と言う顔の女を遮って別のに変えて貰う。

歩き出して暫くして時計を見ると止まっている。
時計屋に戻ると女はニコニコして快く別のに換えてくれた。

散歩してインターネットカフェに入り時間を確認すると、
また、針が動いていない。
再度店に行くとさっきの女の子は居ない。
お母さんらしい人が携帯で呼んでいるようだ。
息を切らして戻った女の子が時計を弄りだした。
お人好しの私も流石に参って、
「要らないからお金を返して」
と手真似で話すとニコニコして返してくれた。


カメラの具合が悪い。
ゴムバンドで電池カバーを支えているカメラに愛着を覚えるのだが、
大理でカメラを壊してから接写が出来なくなった。

 

さて、本格的にお土産を探さなければ、
娘にカンボジャシルクでも買ってやるか。
まず、銀行へ行く。
ドル安で長い間持ち草臥れていたドルのトラベラーチェックを窓口に差し出す。
係員が丹念に縦から横からトラベラーチェックを眺めすかす。
その内に二人の男が窓口へ来た。
一人は店長らしい。
彼はトラベラーチェックを眼の高さに上げて揉み出した。
紙質を調べているらしい。
時折私の顔を覗き込む。
大分長い時間揉み揉みして、
「インボイス」
を見せろ、と言ってるようだ。
もう何年も前に買ったトラベラーチェックだ。
「無い」
と言うと、また、揉み揉みし始める。
今度は。
「パスポート」
パスポートと私の顔を何回か往復する。
やっと、顔を和らげた。
「500$しか出せない」
「OK」
でやっと$を手にした。
たまたまパスポートの写真が古いもので背広姿だったのが幸いしたようだ。
バンコクで私を迎えた娘の第一声が、
「何処の国の浮浪者かと思った」
を思い出した。


フランス人が経営する豪奢な店で遠慮しながら買物をする。
門衛に追い払われる事も無くだ。
カンボジャシルクはタイシルクとは違うのだそうだ。
幾つか仏像の彫刻が目に付いたが荷物になるし、
5$ので我慢しよう。




シェムリアップで毎晩立ち寄ったレストラン。
女の子達は威勢が良い。

第一日目に立ち寄った時、
隣の席に座ったジョーン・フォンテーヌに似た白人女性はその後現れなかった。





このまーぼろ豆腐は抜群だった。



この左の女子は特に威勢が良い。
歩道で踊りながら大声を上げて客を呼び込む。
毎晩顔を出すと、
「今日は何処へ行った?」
「どうだった?」
と話し掛けて来る。
日本語も挨拶くらい話せる。


ホテルのベランダの下で工事が始まっている。
拡張工事らしい。
第一日目。



第二日目。





第三日目の早朝。



シェムリアップを離れる日、ドアを開けると猫が擦り寄ってきた。



ホテルの女の子も笑顔で送ってくれる。
こんな顔をしていて仲々しぶとい。
宿代を絶対にまけてくれなかった。

カムヒヤ君が空港まで送ってくれる。
チップに10$上げると泣き出しそうに顔が崩れた。



空港の売店で買った砂糖椰子の木の器に入ったタイガーバーム、
これは意外に喜ばれた。
バナナの葉で編んだ外箱が可愛い、4$? 5$?。



後ろ髪をひかれる思いでタラップを上がる。
やはり、4泊五日ではアンコールワットは不消化だ。
プノンペンの博物館へも行きそびれた。
まあ、生きていれば次の機会もあるだろう。
しかし、老化の進行は抑えようが無い。