残念バンコク記5

20050925頃

ポルトガル行きを断念して、さてどうしたものか考えたが、
どうも、今回は大人しく引き下がった方が無難と判断した。
それでも10日程時間が余る。

暇に任せてバンコクをぶらつく。
大きなデパート、フランス系のデパートだ。
何でもある、日本人街が近く、刺身をはじめ日本食材も多い。
勿論、日本料理店も多い。

 

 

デパートの前が公園。
幼児が鳩を追い掛ける、何処までも何処までも。



なにやら見たことがある古い車が並んでいる。
クラシックカーの何かのようだ。

 



車よりもお嬢さんに視線が集まる。

 

 

 

ちょっと街頭を歩くとバンコクの匂いが漂う。
人息、汗、脂、残飯、下水、ドリアン、ニンニク、腐り掛けた果物、腐り掛けた魚・・・・
頭の天辺からふりそそぐ強い陽射しを受けてそれらが煮え滾る。
その匂いが、バンコクだバンコクだと言ってるのだ。
けっして嫌いな匂いではない、
むしろ、当初、この匂いを嗅ぐと何か安堵すら覚えたのだが、
最近は少し鼻についてきた。

 

 

無性にカオサンの匂いが嗅ぎたくなった。

夕方のカオサンは相変わらずごった返している。
このごった返しがほぼ24時間続くのだ。







人込みに混じって歩く。
歩き疲れると道端のカフェでビールを飲みながら「人」を観る。
日本街は日本人、中国街は中国人、アラブ街はアラブ人、
そして東京は日本人、パリはフランス人、ニューヨークはアメリカ人、
ここカオサンは違う。
旅人間に限って言えば、
世界中の人種がほぼ均等に歩いたりビールを飲んだりしているのでは無いだろうか。









人種、職業、貧富、老若男女、
この何百メートルも無い
幅だってさして広くないこの通りに世界中の有るとあらゆる人間が集まってくる。
まさに、人間の坩堝。
人間平等の真っ只中なのだ。
そんな中に居ると妙に落ち着くのだ。

一昔前のヒッピーの集まるところとして、
中途半端に知ってる人はこの通りに来るのを恐れる。
この通りにはもう数え切れない程来ているが、
私以上にフラついて歩く人間、酔っ払いの事、は見たことがないし、
何かのイザコザとかには出会ったことが無い。
もっとも、一寸脇道に入れば何かが起こっているのかも知れないが。
行き逢う青年、どれもこれも活き活きしている、
好奇心と希望に満ち満ちている。
瞳が輝いている。
きっと将来、此処を見ていない人とは一味違った人生を過ごすに違いない。

じっと視線を据えて通りを見つめる中年、老人、
その昔、そんな若者の頃、此処を訪れたことがある人達に違いない、
そんな気がしてならない。

つづく