タイの街角 、SVT、WTC
急に冷たい蕎麦が食べたくなった。
この間、ヴィサラが連れていってくれた日本料理店で、
隣の席の人が食べていたざる蕎麦がクッキリと目に焼きついて居る。
ついでに乗合バスツアー、大体見当を付けて乗ったバス、直ぐ車掌が来て、
「何処まで行くの?」
と聞いてるようだ。
「ここ!」
と地図で指差す。
「このバスは其処へは行かない、ここで降りて乗り換えです」
見当を付けたバスの番号を間違えたらしい。
何しろ、バス停には20種類くらいの番号のバスが次々に来る。
降りたいバス停を通るバスも20種類くらい、
両方を見比べながら乗るバスを決めなければ成らない。
こちらのバスは合図しないと止まらないから、
モタモタ地図と睨めっこしていると、どんどん通りすぎてしまう。
乗ったバスの番号が判ると、今何処を通っているのか地図の上で手に取る様に判る。
少し郊外の方へ向かっている。
空調が効いているし、それほど混んでないし、バンコク見物にはもってこいだ。
やがてSVTの下を走り出した、
何時かヴィサラと行った時、SVTの近くだったのを思いだした。
「よーし、SVTに乗ってみよう」
と思い立つ。
SVTはタイ御自慢の高架電車、最近出来たばかりで、駅も電車も真新しい。
しかし客は疎ら、バスなら2バーツから6バーツが20バーツという料金が不評らしい。
しかし、快適。 これからどんどんと拡張が計画がされている様だが、
満員電車になるのは時間の問題だろう。
そごう、大丸、伊勢丹、等々日本のデパートも頑張ってる。
ワールドトレードセンターの中に有る筈の「禅」が仲々見つからない、兎も角広い。
何処でも同じだが女性が多い。
中国に較べてタイ女性の胸は乏しいようだ。
中国では学生街にいたせいか、そんなことを思っていると、凄いのが居た。
必要なところは特大で腰がくびれている、
小股が切れあがっている、バラツキが大きい様だ。
歩いてみると、他にも日本料理店が沢山有る。
その一軒に腰を下ろす、窓辺の方が禁煙席、喫煙席は見晴らしが悪い。
メニューにトロ、マグロの絵を見て気が変わった、注文すると、
「今日はトロもマグロも有りません」
聞くとも無しに後の席の会話が聞こえてくる。 若い日本人カップル、
男「....俺は父親の愛情とか貰ってない、親父のことは畜生としか思ってない」
女「私は母親が早く死んで呉れたら良いと思ってるの」
男「親父の随所に、俺が面倒見てるんだ、が出てくるんだ。
俺の事を心配してるんじゃなくて、世間に対して自分の事が心配なんだ。
何時か対決してやるんだ。
自分の人生...親の人生...、早くサッパリしたい。
今は利用させて貰うとしか思ってない」
気分悪い、ビールを半分残して席を立つ。
早朝4時、カオサン通りは夜の続きと朝の始まりが同居する。
歩道にはみ出したテーブルにかぶさる若者、ぐったりと大の字に椅子に体をあずける若者、
未だ話足りないのか顔をくっ付け合って話し込んでるカップル、
道一杯に手を繋いでくるグループ。
その一方で、掃除のおばさんたち、ゴミ収集車、朝食を準備する屋台、
今着いたのか、これから出発なのか、大きなリュックを担いだ若者も既に闊歩している。
そんなカオサンをあとに空港へ向かう。
完
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