ハノイ記7

タムコック。
10人位のミニバス、国籍は多様だ。
彼らの話を聞いていたら、アメリカ、オーストラリア、台湾、フランス等だ。

田園地帯に入る。
最初の訪問地はナントカ寺、

 

 

まあ、たいした寺ではない、
漢字とベトナム語の文字?が並列に刻んである石碑、
しかし、コケが生えていそうな朽ち掛けた年代ものだ。
寺の名も中国語、古くから中国の支配下に有ったのだ。

台湾青年が話し掛けて来る。
「貴方のデジカメは私のと同じ形ですね」
車に乗り込んだ時から見ていたが。
彼のデジカメも私と同じ日本メーカーの同じ形,
しかし、私のは旧型、彼の物は最新型だ。

お寺の前の露店の女がしきりに売り声を掛けるが、
立ち寄って買う者は居ない。



皆、旅馴れしている。

直ぐ近くの岸辺から船に乗る。
二人ずつの小船、男が舵を取り女が漕ぎ出す。
舟が動き出すと言葉が出ない。
感極まるのだ。

 

 

沼のようだが川らしい。
海のハロン湾、川の桂林に比して此処は沼のタムコック、
一見、沼の様だがいくばくかの流れが有る様だ。

 

 

奇岩の山間を手漕ぎの小船が静々と進む。
男女は夫婦らしい。
奥さんが櫂、旦那は竿を操る。



櫓の音以外物音がない。
アヒルが前後をのんびりと泳ぐ。
頭がつかえそうな洞窟をくぐる。

 

行って帰って二時間くらいの行程だが時空を越える。
とか言ってる内に舟は引き返し始める。

 

 

と、さっきまで櫓を漕いでいたお母さんが変身する。
傍らの箱からいろいろと品物を引き出すと売り子になる。
刺繍のテーブル掛け、さっき売店で見掛けた時14$の表示があったような。
彼女は10$だと言う。
相乗りの台湾青年にも売り掛けるが彼はそっぽを向く。
荷物になるし、帰国すると「また、変なものを買い込んで....」
とか言われるので買う気はない。
「5$!」
と吹っ掛けてみた。
「8$」「6$」「OK、5$」
で商談が纏まる。
チップに2$はずむ。

岸に上がって簡単な食事、
台湾青年は私の買物の仕方に興味が有ったのだろう、
同じようなテーブルクロスを買い込んだフランス女性の席で、
「いくらで買ったか」
と聞いているようだ。
戻った彼は、
「彼女達は二つで20元で買いました、貴方は凄い、
これからの買物の時の参考にします」
と私の顔を覗き込んだ。

つづく

 

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