ハノイ記2

ハノイ旧市街、
狭い路地をバイクがかなりのスピードで眼前をスレスレに過る。
無秩序のようで何か秩序があるようだ。
事故も見掛けないし、思ったほどの渋滞も無い。
歩くコツを覚えた。
変に注意を払わない事だ。
真っ直ぐ歩いていればバイクに方で巧く避けてくれる。
立ち止まったりすると却って危ない。

 

 

一寸表へ出るとバイタクが話し掛けて来る。
何処までも付いて来る。
土産物屋をからかう。

 



 

歴史博物館へ行く途中でガイドブックを忘れてきた事に気付く。
汗を垂らしながら引返す。
真夏の日本でゴルフをやってる感じだ。
一休みして再挑戦。

バス路線が飲み込めない、一方通行が多く乗り場、降り場が混乱する。
地図を見るとたいした距離ではないと、歩き出す。
充実した博物館だ、ベトナムの歴史が判り易く陳列されている。



古代土器、何処の国でも同じ様な物を見掛ける、不思議だ。
諸外国からの侵略の歴史が痛々しい。
元、明、清、フランス、日本、その時々の反抗の勇士が大きく紹介されている。
ベトナム沿岸の沈没船から発見された陶器は殆ど原型を止めている。
海のシルクロードだったのだろう。
侵略の一方で古代から諸外国との交流交易が盛んだったのが覗える。
仏教遺物も豊富だ。

帰りに、また、道に迷う。
地図の南北を勘違いしたらしい。
気が付くと、反対方向へ来てしまっている。
自慢だった方向感覚の良さも衰えて来た。
最後は、小学生の女の子が暫く一緒に歩いてくれ、
「あっち」
と腕を一杯に上げて道を示してくれた。
こんな時に限って、御礼に上げる物が何も無い。

夜、水上人形劇を観る。
白人が多い、その白人の一人と席がダブルブッキング。
暫く待たされて、案内されたのが最前列中央の特別席、
こんな事も有る。
人形劇そのものは幼稚そのもの、

 

 

と眺めているうちに、何時しか、引き込まれている。
古い伝説を一こま一こまに紹介している。
伝統の重みがある。


ホテルの若いマネージャーは日本語が話せる。
一角に旅行案内所も有る。
ハノイー昆明国際列車の正確な情報を取ってくれたが、
やはり、無期不通との事だ。
列車での昆明入りは諦めて、暫く、ハノイに留まる事にする。

単独行動で、ハロン湾、タムコック、北部の少数民族探訪の計画を練る。
マネージャー君が細かく教えてくれるが、だんだん面倒になった。
簡便なツアーに参加する事にする、値段も日本で調べた半額程度だ。

つづく

 

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