ハノイ記3

ハロン湾、二泊三日のツアー。
7時にロビーに降りて食事、コーヒーと馬鹿でかいトースト。
8時半出発の筈が、カウンターで既にツアーの若者が待っている。
慌ててチェックアウト。
ホテル、旅行社など廻ってミニバスに乗り込む。
6人、私以外はみんな白人。

道路は快適、田園風景は日本、中国の田舎と同じようだ。



運転も比較的安全運転。
ガイドが何か説明しているが全く理解出来ない。

一時間半ほどで、例の通り大きな売店で休憩。
沢山の女の子が刺繍をしている。

 

売り子が日本語で話し掛けて来る。
ベトナムドンの価値が判らなくて、品物が高いのか安いのか検討つかない。

車が走り出すと隣の白人青年、
「何か買ったか」
「何も、お茶を飲んだだけ」
「俺もだ」

やがて、右側に桂林もどき遠景が広がってくる。



船着場に着く。

 



一時間ほど、ガイドが行ったり来たりして、別のガイドに引き渡される。
一緒の車で来た連中も、ここでバラバラに分かれる。
ツアーも分業式だ。

アベックが三組、女一人、私の八人が三十人乗り位の船に乗り込む。
私以外は、皆、白人。

 

 

 

島の間を縫って進む。
爽快だ。
海老、蛸、何かの魚が昼食のおかず。

運良く個室が与えられた。

 

 

 

ハロン湾の真ん中だろうか、
島に囲まれた入り江で船が泊まると、
ザブン、ザブンと水音、

 

窓から顔を出すと、みんなが気持ち良さそうに泳いでいる。
残念、水着を持ってない。
快適そうに泳ぐ連中を横目で見ながらビール、
静かだ。

 

四方が奇岩の島。
夕日が沈む。

 

 

とんびが舞う。
手漕ぎの小船が行過ぎる。

 

ガイドの女の子が救命着を付けて泳ぎ出した。
誰も居なくなったのを見定めて、パンツで海に飛び込む。
温泉プールのように生あったかい水だ。

船が滑るように動き出す。
月が出た。
初月だ。
海の筈なのに潮の香りがしない。
屋上の長椅子にに寝そべって月見と洒落る。
星も光りだした。
気が付いたら青空だ。
月が右になり左になる。

漁師だろうか、船上生活らしき船に灯が灯る。
団欒の声に犬声も交じる。

つづく

 


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